地味に持続する痛みや違和感、そして筋肉の張りやだるさを感じる慢性肩こり。
パソコンで仕事をしていると「うわ〜、きたきた..」じわじわと痛みますよね。
集中力、やる気の低下になるなど、生活に支障をきたす非常に煩(わずら)わしいものですよね。
しかも厄介なことに肩こりはこれといった治療法がある訳ではなく、放っておけばおくほど慢性的に悪化していくものです。
実はこの慢性肩こりの原因の一つにストレスが関係しているのはご存知でしょうか?
今回は「肩こりを治したいけど、マッサージや鍼灸など何をやっても無くならない」といった方を対象に慢性肩こりが起こる仕組みやストレスと肩こりの関係性を説明していきたいと思います。
もくじ
そもそも肩こりとは「筋肉が固まることで末梢神経を圧迫している状態」を指します。
重さやだるさの他に痛みを感じるのは神経が圧迫されることが原因です。
筋肉が固まってしまうのは、血流が悪くなることで酸素や栄養が筋肉に供給されなくなり、疲労物質が筋肉に溜まるという悪循環を繰り返すことで筋肉の機能が低下して凝り固まってしまいます。
筋肉は普段、心臓から送り込まれた血液を心臓に送り返すポンプの様な役割をしています。
そのため筋肉が固くなってしまうとポンプ機能も低下するため、さらに血流が悪くなっていくか元に戻ることがないという悪循環に陥ります。
そのため、慢性的な肩こりに悩まされたら「いかに血流を良くするか」を考えて対策をする必要があります。
ストレスとは、身体の外側からかけられた圧力(刺激)で歪みが生じている状態を指します。
そして刺激は「物理的ストレス」「化学的ストレス」「生物的ストレス」「心理・社会的ストレス」4つの種類に分けられます。
気温・湿度・音・振動・混雑などが原因のストレスを指します。
自身ではストレスと思っていなくても精神的な問題ではなく、物理的にストレスを受けてしまいます。
金属・薬・タバコ・アルコール・酸素不足などの化学的な刺激が原因のストレスを指します。
例えば打ち合わせの相手がお酒臭い、タバコ臭い空間などがストレスになります。
病気・アレルギー・ウイルスなど免疫反応を要因とするストレスを指します。
具体例でよく挙げられるものとして「花粉症」が該当します。
人間関係・精神的な苦痛などを原因とするストレスとなります。
一般的にストレスと考えられているのは、この心理・社会的ストレスが当てはまります。
ポイント
ストレスはよく風船に例えられるのですが、風船を持つと少なからず指で圧迫されます。
この圧迫によって風船の形は歪みますが、この状態をストレス反応と呼びます。
そして、この圧迫自体は「ストレッサー」と呼ばれます。
※今回は内容をわかりやすくするために「ストレス」と表現をしています。
一般的には「心理・社会的ストレス」のみをストレスと捉えられる傾向にありますが、ストレスの意味を明確にすると物理的・精神的な「刺激」そのものが「ストレス」であることがわかります。
それでは実際にストレスが身体にどんな影響を起こすことで肩こりに繋がるのかを3つに分けてご紹介します。
自律神経は全身を通った神経で、緊張時に活性化する「交感神経」とリラックス時に活性化する「副交感神経」に分けられます。
ストレスがかかると、「交感神経」が活性化した状態となります。
交感神経が活性化(緊張)すると血管が収縮して血流が悪い状態になります。
血流が悪くなり筋肉の機能が低下することで肩こりに繋がってしまいます。
ポイント
自律神経の理想の状態とは?
「交感神経」と「副交感神経」はどちらも活性化した状態でバランスを保つことが理想です。
「交感神経」と「副交感神経」はどちらが良いかなどの良し悪しではありません。
片方だけが活性化した状態ではやる気が出なかったり、睡眠不足になってしまうなどの症状が発生します。
またバランスが取れていても、お互いに活性化していない場合は無気力で疲れやすいなど、デメリットばかりとなります。
ストレスが溜まると、ストレスから身を守るためにコルチゾールというホルモン物質が分泌されます。
コルチゾールは筋肉を分解してエネルギーに変えるため、筋肉量が減少させる作用があります。
筋肉には体の約75%もの水分を貯水する役割があるため、減少すると身体の水分量も減り、血液の濃度が高まります。
血液がドロドロの状態になると物理的に血流が悪くなるため、慢性的な肩こりを誘発させる原因となります。
①の自律神経とも関係がありますが、ストレスを感じると交感神経が活性化して筋肉が無意識に緊張状態となります。
肩に違和感があったり、張っている感じがするのは筋肉が強い緊張状態にあるためです。
筋肉が緊張すると血管は圧迫されるので、血流が悪くなることで筋肉の機能が低下して慢性的な肩こりに繋がることになります。
ストレスから肩こりに発展する理由を理解していただけたと思いますが、実際にはどのようにストレスから来る肩こりを抑えたら良いのでしょうか?
理想は「ストレス自体を無くす」ことですが、ストレスの原因が職場や住居、家族などすぐに環境を変えることが難しい場合があります。
そこで、今回はストレス自体を無くす以外の方法を3つお伝えいたします。
ストレスが溜まっている状態は、交感神経が活性化している状態にあるとご説明しました。
ということは、反対に位置する「副交感神経(リラックス)」を活性化させることで、自律神経がバランス良く整うことになります。
自分の好きな落ち着いた音楽(個人的にはジブリなどがおすすめです!)を聴きながら、ぬるま湯や半身浴でゆっくり過ごしたり、最近流行りのサウナでじっくりリラックスをしていただくこともおすすめです。
自律神経を整えるのに欠かせないものの一つとして睡眠があります。
そもそも自律神経が乱れている状態では睡眠にも影響が出てしまうのですが、睡眠が上手く取れていない方は、眠れなくても毎日正しい時間(22~24時が理想)に寝床について、以下のような工夫をしてみてください。
夜勤などでリズム良く睡眠を取ることができない方は、夜勤の無いときに睡眠を意識してみたり、夜勤自体にストレスを感じてしまっているのであれば、少しずつ昼勤の比重を多くしたり転職を考えたりしてみてください。
仕事の調整が難しい方は、他の2つの方法を実践してみてください!
筋肉を鍛えることで、ストレスに効能があるセロトニンという脳内物質が分泌されます。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれていて、ストレスの軽減や睡眠の質が向上する作用が期待できます。
いきなり筋トレは抵抗を感じるという方は、明るい時間に日光を浴びながらウォーキングをすることも有効です。
ポイント
セロトニンは日光を浴びることでも分泌されます!
日中は家の中にいたり、夜勤仕事が主な方は幸せホルモンが分泌されるので、できる限り太陽に当たることを意識してみてください!
ストレスによる肩こりのメカニズムと対策方法は理解していただけましたか?
ストレス(刺激)は非常に幅広い種類があり、物理的なものや精神的なものでも体に影響を与えます。
肩こり自体には猫背や運動不足など他にも多くの要因がありますが、ストレスによって肩こりに悩まされている方もいらっしゃいます。
まずは自分はどんなストレスを抱えているのか?
表を見ながら整理していただき、できる限りストレスを避けた環境を作ることがとても重要です。
この記事のまとめ
✅基本的に慢性肩こりは血行不良によって起こる。
✅ストレスには4つの種類がある。
✅ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れて筋肉を緊張状態にする。
✅筋肉が緊張状態になると血流の流れが悪くなる(血行不良)。
✅睡眠改善や筋トレ・運動がストレス解消の一番の近道!